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品番 No. OP-1
作品名 

ロイヤル・ウースター 飾り皿
キャビネットプレート 「川の風景」
制作年
1938年頃
価格
お買い上げ、誠に有難うございました
コンディション
良い
サイズ
26,5cm

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アンティーク アーカイヴ
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[解説]
ロイヤル・ウースターの飾り皿です。飾り皿はキャビネットに飾る事やディナーの際の位置決めを目的として作られたものです。食べ物を盛り付けるといった実用が目的でない事は、この装飾から明らかでしょう。位置決め皿というのはあまり馴染みがないかも知れませんが、正式な晩餐の席で、お客様の座る位置を示すと共に、お皿そのものを鑑賞してもらうためのアイテムです。その家のステータスを示すと共に、主人がこの席にこれだけの力を入れているのですよという西洋流の「おもてなし」なのです。当時の富裕階級に質の高いキャビネットプレートが欲された事は、私達にも容易に想像が付きます。

本作は、こうした需要に応えてロイヤル・ウースターが制作したものです。その豪華さは、一目見た瞬間から人を圧倒します。金彩、地色、絵付けのどれをとっても、当時の最高のクォリティーといえるでしょう。金彩は盛り金技法ではありませんが、レリーフホワイト絵の具の上に金彩を施したものです。24金の絵の具を使っているので、見事な黄金色に輝いています。地色は、絵の具を海綿などたたきながら素地の乗せてゆく「パウダーブルー」とよばれる手のかかる技法を駆使しています。

そして絵付けですが、絵付けの中でも最高に難しい「風景画」です。
本絵付けはイギリスにある川のシリーズで、本作には「The Ure Nr  Ripon 」の書き込みがあります。これはもちろん「ウーレ川 リポン近郊」の意味で、イギリスにある実在の川です(イギリス中部 ヨークの北)。この意味で、ウースターの「ネームドビュー=named views名勝風景図」と言ってよいでしょう。絵付けにStintonのサインがあります。風景画を得意としたハリー・スティントンの作と考えています。マークの星の数から制作年代を1938年としましたが、この年代からみてもハリーの作と考えるのが、妥当ではないでしょうか。(イギリスものは専門外ですので、詳細をご存知の方がいらっしゃればご教授下さい。)川面からみた奥行きのある構図、川面に映る空の夕景の色、そして遠くに見える古城など、あたかも雄大な絵画を鑑賞しているような感覚ですが、この絵はたった10cmの直径の円の中に描かれているのです。絵付け師の並々ならぬ技量でしょう。

尚、本作と同じプレートが「HAND PAINTED PORCELAIN PLATES」という書籍の表紙に採用され(マークの写真に掲載しておきました)一躍有名になりました。この時代のロイヤル・ウースターの傑作中の傑作ではないでしょうか。









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