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品番 No. OO-9

作品名 

ニンフェンブルグ デミタスC&S
「スミレのユーゲントシュティール文様」 
「アールヌーボーのスミレの花」

制作年
1900年頃

価格
申し訳ございませんが、売り切れました。
お買い上げ、誠にありがとうございました。

コンディション
ダメージ修復の無い良いコンディション

サイズ
カップの直径 約 5cm
ソーサーの直径 約 10.5 cm
高さ 約 6cm

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アンティーク アーカイヴ
TEL 03-5717-3108





[解説]
ニンフェンブルグのデミタスC&Sです。
ニンフェンブルグ窯はユーゲント時代、非常に優れた製品を作っており、近年のアンティーク市場でも、その価格は高騰しています。マックス・ロスバッハやルドルフ・ジークなど有名な芸術家がこの窯で働いており、彼らの芸術性は非常に高く評価されています。ニンフェンブルグのユーゲント作品は、マイセンやKPMベルリンとは一味違って、フランスの影響を強く受けているのが特徴です。ニンフェンブルグはミュンヘン近くの南ドイツに位置し、地理的な影響もあったのかも知れません。

本作はフランスの影響を受けた作品の良い例で、その愛らしいスタイルはドイツユーゲントとは明らかに違います。フランス、セーブル窯でフリーランスで働いていた芸術家エドモン・グローデクールは1903年にニンフェンブルグ窯に移り、職業訓練学校で教鞭をとるなど芸術的に大きな役割を果たしていました。本作は彼の指導下、フランス、アールヌーボーの強い影響のもとで作られた作品です。

特徴的なハンドルはパンジーの花を形どっており、淡い紫色と黄緑で絵付けされています。敢て器の中心には絵を付けず、白磁の余白を充分に生かした装飾は清楚な美しさをかもし出します。カップのフォルムは上部からなだらかな曲線を描き、緩やかなアーチ状に足に帰結しています。この足にもスミレがあしらわれています。もちろん全て手描きです。
カップ、ソーサーともに正方形を基調としていますが、鋭角な線は排され所謂アール・ヌーボーに特徴的な形状がよくいかされています。スミレの花の部分が、柔らかに盛り上がったレリーフになっている事にもご注目下さい。一見、清楚でおとなしげですが、非常に緻密に計算された作品である事がご理解いただけると思います。

非常に珍しいアイテムで、ニンフェンブルグのユーゲントを専門に扱った書籍にも、絵付けのない白磁のみの写真が掲載されているだけです。(写真6 下段)  ドイツの市場なども注意して見ていますが、全くめぐり合えません。(日本では、2014~2015年に開催された「デミタスコスモス」展の図録に掲載されています)

窯印は青のアンダーグレーズで描かれた盾のマークで、1912年まで使われたものです。写真6上段 (因みに、これ以降はグリーンのマークになります) したがって、本作は100年以上前に作られたユーゲント時代のオリジナルです。
コンディションは、修復、ダメージのない良いコンディションです。