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品番 No. MP-6




作品名 

マイセン 飾り皿
「フェルメール 手紙を読む少女」
紺地 金彩 透かし彫り


制作年
1870年頃

価格
申し訳ございませんが、売り切れました。
お買い上げ、誠に有難うございました。

コンディション
ダメージ修復なし 良い状態

サイズ
直径 約 24cm

お問い合わせ
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TEL 03-5717-3108




解説
マイセン名画シリーズの飾り皿です。
題材は、皆様よくご存知の「フェルメール 手紙を読む少女」です。マイセンでは19世紀半ばに名画シリーズが制作されましたが、「手紙を読む少女」は、何と言っても一番人気の作品です。フェルメールは世界中で人気のある画家であり、日本でもその知名度は大変に高いものです。フェルメールについては他にたくさんの資料があるので、そちらを参照して頂くとして、本稿ではマイセンで何故このような作品が作られたのかを考察してみます。

マイセンの名画シリーズの多くがそうであるように、「手紙を読む少女」もドレスデン国立美術館に所蔵されている絵画からマイセン磁器に模写されました。この絵画は、アウグスト三世時代、1742年にレンブラント風の作品として、ドレスデン王立絵画館に収蔵されたものです。18世紀当時、ドイツではオランダの絵画が流行しており、特にレンブラントは非常に高く評価されていました。ドレスデンのコレクションにもレンブラント風の絵画が多く蒐集されましたが、「手紙を読む少女」もこうした作品の一枚でした。しかし、1858年にフェルメールというきわめて優れた巨匠の作品と認められ、一連の室内情景シリーズの始まりであると位置づけられました。それまで忘れられていたこの作品は、改めて人々の大きな関心と賞賛を呼んだのです。

19世紀には18世紀の王侯とは別に、新たな貴族や富裕層が出現していました。かれらは昔の王の権威の象徴を熱烈に欲しましたが、もちろん「手紙を読む少女」のような絵画は手に入れられません。そこに、マイセン磁器の需要があったのです。客間や食卓を飾る磁器作品は依然として高級品でありステータスシンボルでした。名画を写した陶板画や飾り皿はこうした多くの富裕層の需要に応えるものだったのです。

また、この時代の磁器の絵具や焼成技術はほぼ究極に達し、最高の水準にありました。 
お金に糸目をつけない新富裕層の需要を、マイセンは言わばてぐすねを引いた状態で待ち受けていた訳です。この状況でよい物が出来ない訳はありません。

写真の最後から二枚目に、オリジナルの絵画を掲載しておきました。マイセンの作品と見比べて下さい。人物や果物などは言うに及ばず、フェルメール独特の空気感まで再現されているのは、驚きという他に言葉が見つかりません。方や油絵、方や焼き物です。焼き物で油絵を再現するなど、現在ではすでに技術が失われ不可能です。東洋の焼き物は優秀ですが、こうした磁器作品は西洋の他に類をみません。作品の周辺を彩る金彩の装飾も、全て手描きで描かれているのです。こうした金彩はKPM等の陶板画にはありません。正に西洋陶磁器芸術の極地に位置する作品でしょう。

作品裏面に、「手紙を読む少女 フェルメールによる」の意の手描きによるカリグラフィーがあります。ダメージ・修復のない良い状態です。化粧箱付き。











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