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品番 No. MP-1



作品名 

マイセン 飾り皿 
東ドイツ建国20周年記念
「青い枝葉を持つ赤紫のバラの絵」
ハインツ・ヴェルナーのデザインによる

制作年
1969年頃

価格
申し訳ございませんが、売り切れました
お買い上げ、誠にありがとうございました

コンディション
とてもよいコンディション

サイズ
直径 約 25cm


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アンティーク アーカイヴ
TEL 03-5717-3108




解説
非常に珍しく、歴史的にも興味ある作品を紹介します。
本作は、東ドイツDDRが、建国20周年を記念して、1969年に製作したマイセンの飾り皿です。
ざっとこの時代を見てみると、プラハの春が1968年、東ドイツも憲法を改正し、「わが国は、マルクス、レーニン主義に基づく社会主義国家である」と改めて宣言したのも同年です。言わば世界にその存在や主義主張をアピールする絶好の機会でもありました。建国20周年は東独の国家的行事であり、その記念品にマイセン磁器が選ばれたのも自然な成り行きだったのでしょう。

プレートにはアラビア文字でアラビア数字で「ⅩⅩ」 の20周年、その下には東独の紋章が金彩で絵付けされています。周囲の麦の穂は農民、鎚は労働者、コンパスは知識人を象徴しています。さらにその下には、ドイツの三色旗が配置され、全体に円形の文様として完成されています。

そして、注目すべきはこれらのシンボルを取り巻く蔓バラの絵付けです。この装飾はハインツ・ヴェルナーのデザインになるものです。1969年と言えば、ヴェルナー41歳、プロトタイプとしての「アラビアンナイト」や「サマーナイト」の装飾がライピチヒのメッセに発表された頃でした。(これらが現在の形で発表されるのは1974年)実はこれを遡ること4年前、1965年の春のライピチヒメッセでヴェルナーは金メダルを受賞しており、この時の作品が「青い枝葉を持つ赤紫のバラの絵」でした。保守的なマイセンとしては画期的な装飾でしたが、新しい国家にはふさわしいものと判断されたのでしょう。国家の記念品として、この装飾が選ばれたのです。写真9)に1332bの装飾番号が見えます。本作の裏面には1332eとあります。末尾の小文字のアルファベットは、当該装飾はマイナーチェンジされている事を表します。記念プレートを製作するに当たって、装飾が部分的に変更されたことが、この番号から伺えます。

もちろん、全て手描きによるものであり、このプレート一枚の価格は相当高価であったと推測されます。この記念品は、建国20周年に当たって国家に功労のあった個人や団体に贈呈されたもので、当時としては非常に栄誉ある記念品ただったでしょう。これ以降、東独はその節目に記念プレートを出しますが、その多くはプリントものであり、本作のように手のかかった、また芸術的にも優れた作品を作ることはありませんでした。本作は、今は無き東ドイツの栄華を偲ぶ貴重な作品と言えます。

コンディションは、金彩に多少のスレはありますが、ダメージ修復は無くとても良い状態です。


マイセン フィギュア...LinkIcon